阿蘇の陶芸工房を訪ねる。 阿蘇坊窯 山下太さんのご飯茶碗

阿蘇坊窯 山下太

二泊三日の九州旅行で、大分と熊本へ行ってきました。

熊本では、岡本夏生さんが熊本支援活動の際に宿泊された「阿蘇内牧温泉の御料理旅館 親和苑」へ泊まりました。

親和苑のお料理は、本当に素晴らしかったです。

あの料理とサービスで、あのお値段はコストパフォーマンスが非常に高いですね。

今回の旅行では、熊本にお金を落とそうという目的もあったのですが、逆にこちらが大サービスされてしまいました。

親和苑、全力100%でおすすめできる、素敵な旅館でした。

その親和苑で使われている食器が素敵だったので、宿の方に聞いたところ、親和苑から車で15分くらいのところに工房を構える「阿蘇坊窯の山下太」さんの作品だとか。

電話してみると、工房を見学させて頂けるとのこと。

喜び勇んでお邪魔しました。

阿蘇坊窯 アクセス

〒869-2225
熊本県阿蘇市黒川880
電話番号:0967-34-2418

工房なので、営業日や営業時間は決まっていません。
行かれる前に、事前に連絡が必要です。

無料駐車スペースあり。

阿蘇坊窯のアトリエは、阿蘇山頂へ向かう麓付近にあります。

ナビに住所を入れて、こんな山道を登っていきます。

緑が綺麗で、道中のドライブがまた楽しい。

車かバイクでないと、辿り着くのは難しい場所にあります。

阿蘇坊窯 アクセス

親和苑から車で10分くらい行くと、左手にこんな石の看板が見えてくる。

ここを左に入るとアトリエです。

山道の途中に急に現れる看板なので、見落とさないで。

阿蘇坊窯 アクセス

阿蘇坊窯 工房入り口。

阿蘇の緑の中にポツンとある工房です。

阿蘇坊窯 アクセス

阿蘇坊窯 展示スペース

阿蘇坊窯の展示スペース、綺麗です。

こんな山奥に、こんなお洒落な空間があるとは…。

山下太さんの弟さんの、木工作品も少し並んでいます。

阿蘇坊窯 アトリエ

山下太さんの作品がずらり。

種類が豊富で目移りします。

これだけ並べば選び放題ですね。

たくさんある中から、お気に入りを選べるのが嬉しい。

工房を訪れた甲斐がありました。

この白いシリーズの食器たちは、日常使いに使いやすそう。

女性好みの優しい雰囲気の器です。

山下さんの故郷、福岡の土を使っているそうです。

阿蘇坊窯 山下太

持ち手が凄く持ちやすかったカップ。

4,000円弱のお値段だったと思う。

ソーサーはくぼみがないので、ソーサー以外の目的でも使えるのがいい。

コーヒーの他に、甘酒なんかもしっくりきそうです。

阿蘇坊窯 山下太

白いご飯茶碗。サイズが3〜4種類あった。

一番小さいサイズがちょうど私の手に合いました。

ご飯茶碗(小):2,800円

阿蘇坊窯 山下太

かなり惹かれた醤油差し:8,000円。

色違いで黒など3種類ありました。

蓋の部分に工夫があり、傾けても蓋が外れないようになっていました。

醤油差しとしては高さがあるので、今回は購入は見送りましたが、ポン酢やドレッシングなどもたっぷり入るサイズです。

阿蘇 山下太 醤油差し

梅干しを入れて卓上に置きたくなるような、小さい壺なども。

山下太さんの器は、使い手のイメージが湧きやすい、日常で活かせる器ばかり。

私は器は並べたり飾ったりしまったりせずに、ガンガン使う主義なので、山下さんの作風はかなり好みです。

阿蘇坊窯 工房

応量器タイプの器セット。

陶器で応量器タイプの器は初めて見ました。

これはいいね!

このセット一式があれば、いろいろに使えて、収納もコンパクトにできそうです。

阿蘇坊窯 山下太

男性向けの色味の食器シリーズも。

どれも持ちやすく、使いやすいサイズ。

阿蘇 山下太

黒いシリーズは、新和苑でも使われていた器。

料理を引き立てる阿蘇の土でできた器は、少しずつ揃えたくなる使いやすいものばかり。

阿蘇坊窯 山下太

阿蘇坊窯 工房

展示スペースのお隣の、工房を見せて頂きました。

阿蘇坊窯 工房

山下太さん自らが山に入って採ってきた阿蘇の土を独自に調合したものがバケツに入っている。

色が何種類もあるのは、いろいろな土を使うから。

山下太さんの作られる器の材料は、全て山下さんが自然の中から調達するそうです。

うわぐすりまで全て自然のものから調達するのが、山下太さんの拘りです。

阿蘇の土だけでなく、工房周りの竹を燃やして灰にして材料に使われるとか。

山下さんの器は、土、水、岩、草木、風までも、全てが阿蘇からの賜り物でできている、まさに自然の一部。

阿蘇の野菜を使った新和苑のお料理が、山下さんの器にぴったりだったのも納得です。

自然から生まれた器で、自然が育んだ野菜料理を頂く。

食事が美味しくなるわけだ。

阿蘇坊窯 工房

乾燥中の器たち。

阿蘇坊窯 アトリエ

迷いに迷って、結局購入したのは、二つのご飯茶碗。

お味噌汁のお椀は、お気に入りが揃ったので、次はご飯茶碗が欲しかったんです。

→味噌汁椀を探して。要明研二さんの漆塗のお椀

阿蘇坊窯 山下太

私は白い小サイズのご飯茶碗を選びました。2,800円なり。

小サイズでも、女性には十分な大きさです。

横のくぼみのお陰で、持ちやすいです。

阿蘇坊窯 山下太

炊き込み御飯が映えそうな、優しい色合い。

手触りも滑らかな、女性向けの器だと思います。

阿蘇坊窯 山下太

日常使いのお茶碗を買う時のポイントは、裏面までうわぐすりが塗られていること。

お椀の裏面って、洗った後、一番水が溜まりやすいところです。

ここにうわぐすりが塗られていない器は、だんだんと黒くカビてきますので要注意。

山下太さんのこのご飯茶碗は、裏面のくぼみまで、しっかり防水なので安心です。

阿蘇坊窯 山下太

茶色っぽいご飯茶碗:3,000円なり。

白いご飯茶碗より一回り大きいサイズ。

阿蘇坊窯 山下太

こちらもしっかり裏面までうわぐすりが塗られているので、日常使いにぴったりです。

阿蘇坊窯 山下太

お気に入りのご飯茶碗が買えて、大満足しました。

土でできた器は、1日間、水に浸けてから使い始めると良いそうです。

水に浸けることで、器が締まって割れにくくなるそうです。

阿蘇の土や、自然の材料だけでできている器。

うわぐすりまで自然のものだから、熱々のご飯をよそっても安心ですね。

大切に長く使っていきたいと思います。

 

それにしても、阿蘇の自然と景色はなんとも雄大で、パワーを感じました。

阿蘇坊窯のアトリエまでの道中も、緑の木々と青い空、どっしりした入道雲を見ながらの良いドライブになりました。

新緑の季節ということもあり、景色や気候が良かったということもありますが、阿蘇は日本の土地が持つパワーを身体中で感じられる土地ですね。

東京で高い家賃を払って、ゴミゴミした、人の多いところに暮らす意味って何?

そりゃー、仕事があるからだよ。

地方で仕事をしながら生計が立てられるって、いいな。

今は昔と違ってネットも発達しているし、そんな生活もやる気があれば夢ではなくなってきてるのかも。

一昔前までは一流大学を出て、一流企業に勤めて、家を買って、というのが幸せや成功の基準だったけど、今はそれだけじゃ違うなって、みんなが気付き始めてる。

王道を外れても、立ちゆく。抜け道が沢山ある社会が、豊かな社会だと私は思うのです。

今の日本社会は、勝ち組だ負け組だと、なんだか息苦しいですね。

自然のに囲まれた阿蘇で、豊かな暮らしをされている、阿蘇坊窯の山下太さんの暮らしぶりが羨ましく感じた1日でした。