㉜困った日本人客。シヴァナンダ・ガール

外国人向けアーユルヴェーダ施設を自分で手配するにあたって、気をつけなければと思った事があります。

きちんとした施設はやはり事前予約が必要です。

その為には何月何日何時に到着するとか、どのタイプの部屋をいつからいつまで予約したいなど、基本的な事は施設側にきちんと伝えて確約を取る必要があるということです。

日本では当たり前のこういう事をしないで、アーユルヴェーダ施設に来る日本人が居るようです。

バック・パック旅行中に、予約なしで海外のゲスト・ハウスを利用するノリで、何月何日に行きたいのですが、OKですか?とだけメールが来て、迎えが必要なのか、どのタイプの部屋に何日まで泊るのかわからない。

到着してから決めれば良いと思っている人がいるのです。

施設側は前金も受け取ってないし、本当に来るのか?

部屋を抑えて無駄にならないのか?

迎えタクシーの手配は必要なのか?

どこへ迎えに行けば良いのか、直接来るつもりなのか?

何時に来るのか?

困ってしまうのも当然です。

 

私が宿泊中に、マネージャーが困り果てて相談に来ました。

聞けばニヤダムのシヴァナンダ・アシュラムに宿泊中の日本人女性から、2~3日アーユルヴェーダを試してみたいのでシヴァナンダの帰りにMitraに寄って宿泊したいとメールが来た。

シヴァナンダ・アシュラムからバスでMitraの最寄駅まで来るつもりとのことだが、どこの最寄駅に何時に到着するつもりか連絡して来ない。

こちらがメールしてもはっきりした返事がないので英語が通じていないのかもしれない。

申し訳ないがトリバンドラム・セントラル・ステーションまで迎えに行くから、正確な到着時間を連絡してくれるよう日本語で伝えてくれないかとのこと。

シヴァナンダ・アシュラムからMitraまではタクシーでも1時間半~2時間:1,600RS~1,800RSかかる距離です。

インドのバスで正確な到着時間が分かるはずもありません。

相手の立場で考えれば、迎えに来る時間が決まらないと手配ができないのは分かるはずです。

私はまずメールで彼女にタクシーを勧め、シヴァナンダからのタクシー料金と時間をメールで連絡しました。

その日本女性はMitraスタッフの間でシヴァナンダ・ガールと呼ばれ、会議で毎日議題に上がっており、「今日もシヴァナンダ・ガールから連絡がなかった。バス・ステーションまで来ると言っているが、どこのバス・ステーションかわからない。一人でバスで来るなんて大丈夫なのか。本当に来るのか。」とホテル側が困っているのはわかります。

ドクターは私に「こういうのって本当にDifficult,difficult.。」と苦み走った顔で愚痴を言うし、同じ日本人として恥ずかしかったです。

なぜ彼女はタクシーで来ないのかしら。1,600RSを節約しているつもりなのか。

自分は旅慣れているから、外国でタクシーに乗らずにどこでも行けると過信しているのか。

ホテル側の迷惑は全く考えていないのかしら。
数日後にシヴァナンダ・ガールが日本語でメールしてきました。

「タクシーで行くつもりはありません。私はバスで行くと決めています。pm15:00にセントラル・バス・ステーションまで迎えに来て下さい。」とのこと。

結局、当日、シヴァナンダ・ガールはセントラル・バス・ステーションではなく、別のバス停であるセントラル・レイルウェイ・ステーションに一時間遅れで到着したそうです。

当然、Mitraが手配したドライバーは彼女を見つけられず、ホテルまで戻ってきました。

その後、ホテルに彼女から電話があり、急遽、マネージャーが迎えに行って一件落着。

ここがインド人の良いところだと思いますが、到着したシヴァナンダ・ガールを責めることもなく、よく来て下さいました。

無事到着してくれて安心した。

良かった良かったと、ニコニコしています。

私がマネージャーに「わざわざあなたが迎えに行ったの?ほんと、大変だったね。」と言うと、「彼女が無事に着いてくれたから僕はもうOKだよ。ノープロブレム。」とニコニコしていました。

結局、彼女は自分がどれだけホテルに迷惑をかけたか全く自覚がないまま、責められることもなく歓迎されて、これからもずっとわからないままこういう事を繰り返すんだろうなと思いました。

1,600RSをケチってホテル側に迷惑をかけるなんて本当にスマートじゃないですね。

欧米人は絶対にこういう事はしません。

海外慣れしているというか、旅行の仕方をわかっているんですよね。

顧客側も自分が泊るホテルのランクに合わせた態度をとるべきということを知っているわけです。

安宿とは違うのですから。

ホテル側はインドで外国人が旅行するということがどういう事かよくわかっているので、とにかく無事にホテルまで到着してもらうよう、責任感を持って仕事を遂行しようとします。

南インドは危ないとは思いませんが、相手の立場にたった行動を取れないのは恥ずかしいことだと思います。

ランクの高いホテルではそれなりの、ゲストハウスやアシュラムではそこのルールに沿った態度をとれるような旅行者でありたいなと思います。

2017年からは、シヴァナンダアシュラムから流れてくるお客様が増えてきたため、ホテル側も慣れてきて、タクシーで来ない場合はバス停をきっちり指定してもらい、そこまで迎えをやる体制をとっているようです。

迎えに行くオートリキシャー代は滞在期間が短い場合は宿泊者持ちで請求する形をとっています。

→㉝Mitra Hermitage パンチャカルマを終えて、帰国の準備をする。