糠漬けを漬け始めて3年が経ちました。
今ではコツを掴み、毎日美味しい糠漬けを食卓に並べることができるようになりました。
それまで糠漬けに挑戦すること4回。
4回挑戦して、4回挫折し、もうダメだと思ったところ、世田谷区のぬか漬けマラソンという活動をされている、おかべなおえさんの糠漬けワークショップに参加して、やっと糠床をキープできるようになりました。
糠漬けは簡単なようで、美味しく漬けるのはなかなか難しいものです。
一番良い方法は、長く糠漬けを続けている人からコツを教えてもらうことです。
自宅で母親やおばあちゃんから教えてもらえたら一番なのですが、昨今ではなかなかそうもいかない方も多いかと思います。
ぬか漬けマラソンを主宰されているおかべなおえさんは、糠漬けの魅力を次世代に人から人へと伝える活動をされています。
目次
ぬか漬けマラソン講習会 糠漬け基本編
・参加費:2,200円(テキスト・生糠・ランチ込み)
・糠漬けランチ付き
・お持ち帰り糠床付き
・4名以上の希望者があれば、随時開催。(定員7名)
※希望者はぬか漬けマラソンのブログページから、直接問い合わせ可。
一人参加希望者でも、日程調整の上、4名集まれば開催されます。
まずは都合の良い日をご連絡のこと。
・場所:おかべさんの自宅(小田急線経堂駅徒歩5分)
・所要時間:約2時間程度
基礎編 内容
1.ぬか床作り(参加者各自一つの持ち帰りぬか床を作る)
2.ぬか漬けのお話し
3.発酵の仕組みを図解で説明
4. 実演:糠漬けの下ごしらえの仕方/ 糠漬けの取り出し方
5.糠漬けランチ(おかべさんの漬けたいろいろな種類の糠漬けを試食。ご飯、お茶付き)
5.質疑応答
基礎編 持ち物
①3L以上の蓋付き容器(持ち帰りぬか床を入れる)
※容器は琺瑯、陶器製、プラスチックでもOKですが、酸に強い漬物用が望ましい。
ネジ式漬物容器は不可。
容器の大きさの目安はキュウリが一本丸ごと入る幅で、深さ12㎝以上あるもの。
夏場はぬか床を冷蔵庫に保存するため、冷蔵庫に入る大きさやサイズを選ぶこと。
②捨て漬け用の野菜:100〜200g
キャベツの外葉・りんごの皮やブロッコリーの芯など
③粗塩:100g
④赤唐辛子:2本
種を除いたもの
⑤昆布:10㎝
⑥山椒の実:大さじ3
山椒の実は後で追加できるので、用意できなければ持参しなくてもOK。
生の山椒の実か、または生山椒を冷凍したもの。
⑦エプロン
⑧筆記用具
⑨布巾や手ぬぐい
手拭きとして使用
基礎編では、実際に自宅で糠漬けを続けられるよう、各自糠床を作り、糠漬けの漬け方や、糠床キープの仕方を学びます。
糠床を作るための生糠は、おかべさんが仕入れた有機栽培の生糠を使用します。
デモンストレーションだけでなく、実際に自分で作ったぬか床を持ち帰れるので、自宅に帰ってからすぐに糠漬けを始められるのが魅力です。
おかべさん自作のエプロン シアター。
糠床の仕組みをわかりやすく図解で理解できます。
糠床の表面に出てくる白い膜は、産膜酵母という有用菌だそうです。
産膜酵母が生えると乳酸菌が増えた証拠です。
ぬか漬けの漬け方や、取り出し方のコツをデモンストレーション形式で説明。
画像は小松菜のぬか漬け。小松菜はガーゼで巻いて漬けると取り出しやすくうまく漬かる。
他に、こんにゃく、高野豆腐、干し椎茸などもぬか漬けにして美味しい食材。
それぞれの野菜の漬け方を説明。
下茹でしてから漬ける野菜や、そのまま漬ける野菜など、漬け方はいろいろ。
糠床は混ぜすぎてはいけないようで、私は以前の糠床の失敗は混ぜすぎが原因だったとわかりました。
空気を入れれば入れるほど良いと思っていたのですが、違ったんですね。
取り出したぬか漬けたち。この後、実際に試食できる。
人参、ナス、サツマイモ、かぶ、かぼちゃ、こんにゃく、エリンギ、小松菜など季節の野菜。
ごぼう、高野豆腐なども。意外な食材がぬか漬けにできる。
各自、持ち帰り糠床を作り、ぬか漬けのやり方を学んだ後は、糠床ランチをいただきます。
実際に試食することで、味の目安が分かり、自分が漬けるときの参考になります。
ぬか漬けマラソン講習会 応用編
基礎編ではぬか漬けの漬け方を学びますが、応用編ではぬか漬けを活用した応用料理を学べます。
ランチではおかべさん自家製たくあんと、ぬかみそ炊きを試食します。
・参加費:2,500円(テキスト・ランチ込み)
持ち帰りたくあん代・試食用ぬかみそ炊き含む。
・4名以上の希望者があれば、随時開催。(定員7名)
※希望者はぬか漬けマラソンのブログページから、直接問い合わせ可。
一人参加希望者でも、日程調整の上、4名集まれば開催されます。
まずは都合の良い日をご連絡のこと。
内容
・速成たくあんの漬け方
・糠味噌炊きの作り方(肉・魚)
たくあんに使う大根は、半日日干したものを使うと良い。
時間がない時は、日干しは省いてもOK。
実際に自分でたくあんを漬けます。漬けたたくあんは持ち帰れる。
たくあんと糠漬けランチで、味を確認。質疑応答もあり。
こちらは漬物ワークショップで習える、福神漬けの漬け方。
福神漬の漬け方。市販の真っ赤な甘い福神漬とは違う、大人の福神漬です。
これを食べたらもう市販品は食べられません。
作った福神漬は、ジップロックに入れて持ち帰れます。
福神漬は漬物石や容器が必要なので、自分で作るのはなかなか気合が入ります。
ぬか漬けマラソン その他漬物や発酵食品のワークショップ
ぬか漬けマラソンでは、主に以下のような活動をされています。
・ぬか漬けの漬け方 基礎編
・ぬかを使った料理 応用編
・ぬか漬けナイト
ぬか漬けを広く紹介する活動。
居酒屋やカフェを貸し切り、お酒を飲みながらおつまみにぬか漬けを出す。
ぬか漬けのデモンストレーションあり。
・出張ぬか漬け講習会
参加希望者6名以上で開催可。
参加費は基本2,500円だが、人数による。別途出張費用として交通費が必要。
・らっきょうの漬け方講習会
らっきょうを実際に自分で漬けて持ち帰れる。
・漬物ワークショップ
福神漬けの漬け方を習う。
・甘酒の作り方講習会
生麹とお米で作る甘酒の作り方
・手作り味噌の作り方講習会
自分で仕込んだ手作り味噌を持ち帰れます。
どの講習会も人数が集まれば、随時開催。
ぬか漬けマラソンのブログをチェックされてみて下さい。
ぬか漬けマラソン主宰 おかべなおえさん インタビュー
ぬか漬けマラソンでは、ぬか漬けの漬け方講習会を始め、ぬか漬けを広く紹介するための活動をしています。
ケータリングとしてぬか漬けを販売したり、イベントでぬか漬けを紹介することもあります。
ぬか漬けの他に、らっきょうの漬け方、味噌の仕込み方、福神漬の漬け方など、私がいつも作っている漬物の漬け方講習会も実施しています。
最初は自分で教えようとは思わなかったんです。
漬物名人のお年寄りを呼んで、興味のある方を集めて漬物ワークショップができたらいいなと考えていました。
ところが実際に漬物の上手なお年寄りに会ってみると、自分で漬けることは得意だけれど、教えることができない。自然に身についてしまっているものなので、人に説明しながら教えたり、分かりやすく資料をまとめたりすることができないんですね。
そんな中、私が好きで長く漬物やぬか漬けを続けていることを知った周りの主婦仲間や友達から、ぬか漬けや漬物の漬け方を教えて欲しいと頼まれるようになり、自分で希望者に教えるようになりました。
さらに世田谷の「すこやかプロジェクト」に応募、採用されたことがぬか漬けマラソン立ち上げのきっかけです。すこやかプロジェクトに採用されたことが、自分がどうしたいかを考えるきっかけとなり、方向性もクリアーになりました。ぬか漬けを分かりやすく伝えるため、九州まで勉強会に参加したりもしました。
基本に忠実に、余計なものを入れないことです。
どこかで聞いて、ビールやパン、ヨーグルトを入れたりする方がおられるのですが、余計なものを入れると失敗の元になります。基本に忠実に、1日1回糠床の天地返しをして空気を入れること。いろいろな種類の旬の野菜を漬けることだけで、糠床は美味しくなっていきます。
いろいろな種類の野菜を漬けることで、糠床は美味しくなりますが、特にごぼう、大根の茎、干し椎茸は糠床に旨味を出してくれます。
意外なところでは、高野豆腐やこんにゃく、リンゴなどもぬか漬けにして美味しいですよ。
糠床を美味しくするには、いろいろな野菜を漬けることが一番ですので、一年を通してぬか漬けを続けられることをおすすめします。
ぬか漬けは意外にパンにも合いますよ。クリームチーズを塗ったパンにぬか漬けを挟むのがおすすめです。
青魚を煮る時、糠床を加えて炊く糠味噌炊きは、魚の臭みが抜けて長期保存も可能になり一石二鳥です。
ぬか漬けの活用法はいろいろあるんですね。意外な食材がぬか漬けにできることも驚きでした。
おかべさん、ありがとうございました。
おかべさんは、近所の優等生の幼なじみのお姉さんが、そのまま大きくなったような方です。
ご自分が好きで、得意なこと、身体にいいことを、興味がある人に伝えたいという親切心から始まった活動というところに非常に共感しました。
人からものを教わる形って、こういう伝わり方がベストな気がします。
高い授業料を払って、理論を学び、資格を取るコースって、私は魅力を感じませんね。
一番学びたいのは、理論ではなく、実際に生活の中で活かされている知恵なんです。
母親やおばあちゃんから教えてもらえたら一番いいのですが、それが難しくなってきた世の中なら、自分ができること、得意なことを、興味がある人に教えたり、紹介したりし合えばいい。
身内の枠を超えて、みんなが教えあったり、助け合ったりできる世の中になっていけばいいなと思います。
子育て期間中でも、自分のできる範囲で人の役に立つ活動をされていることにも励まされました。
やる気があれば、こんな形で社会と関わることもできるんだなぁと思います。
こちらの本には、ぬか漬けマラソンの講習会で習う糠床の作り方や、漬け方が写真付きで解説されています。
ぬか漬けの漬け方を習い、ぬか漬けを継続できるようになったことは大きな収穫でしたが、それにも増してその運営姿勢に触発された、ぬか漬けマラソンでした。