ayurclothのはじまり
ayurclothは、南インドで本格的なパンチャカルマ治療を受けてみたいと思っている方々のために、私の経験が役立てばという思いから始めたブログから始まりました。
私がはじめてパンチャカルマを受けた頃は、アーユルヴェーダや現地のパンチャカルマ施設についての情報が乏しく、自力で本格的な治療ができるアーユルヴェーダ施設を探し、パンチャカルマ治療を受けるまでには、なかなかの時間と労力を費やしました。
当時は(今もですが)、具体的な費用や施術の詳細、優良施設の選び方などを、個人が日本でリサーチすることは難しく、パンチャカルマについて得られる情報は大げさに誇張されていたり、現地価格の何倍もの料金を取る旅行代理店や、ヨガ教室関連のツアー起案のものしかありませんでした。
情報発信者の殆どは、旅行代理店、アーユルヴェーダ教室、ヨガ教室などで、商業的な活動を目的としているため、当然ながら利益を第一に追求します。
いきおい、メリットは誇張、デメリットについては触れず、自社に都合の良い情報のみを提供されることとなりますね。
南インドにはたくさんの優良アーユルヴェーダ施設があるのに、旅行代理店が紹介するのは自社と繋がりのある手配しやすいアーユルヴェーダ施設だけです。
HP上ではたくさんのアーユルヴェーダ施設を紹介していても、実際に勧めるのは自社と繋がりのある1〜2施設のみで、顧客側にほぼ選択肢はありません。
人によって、アーユルヴェーダ施設に求めるものは異なります。
ある人は、治療さえしっかりしてくれるなら、食事が不味くても、部屋が質素でも構わないと言います。
またある人は、費用は掛かってもいいから、雰囲気がよく、リゾート気分も満喫できる綺麗な施設が良いと言います。
インドでオイル浣腸などの治療するのは抵抗があるし、日本語が通じる施設が安心だから、スリランカのアーユルヴェーダ施設を探したいという人もいるでしょう。
私などは、アーユルヴェーダの資格を持つドクターが居て、治療のクオリティも高い施設を優先するけれども、部屋の雰囲気と食事のクオリティは、かかる費用と滞在期間に合わせて比較検討して選びたい方です。
長期のパンチャカルマ治療となると、費用は嵩む。でも何十万ものお金は工面できない。予算の範囲でできるだけ綺麗なアーユルヴェーダ施設を選びたいのに…。
もう少し安い施設を紹介してくれたら、1週間ではなく、3週間の治療が受けられるのに…。
予算とニーズに合わせて選べる選択肢が欲しかったのです。
それならと自力で探してみたら、たくさんの優良アーユルヴェーダ施設が見つかった。
現地では様々な国の人たちが、パンチャカルマ治療を受けに来ているのを見ました。
英語がそれほど喋れないドイツ人のお婆さんや、ロシア人夫婦などもいます。
特に持病がなくても、デトックス目的、リゾート半分で来ている人もたくさん。
「日本人も、こんな風に構えずに気軽にパンチャカルマを受けられたらいいのになぁ。」と思いました。
日本の仕事は、厳しいです。
ストレスを抱えるサラリーマンの方や、以前の私のように不調を感じながらも日々の仕事をこなし過ごすOLさんが、自分の都合で自分の予算内で行ける時に気軽にパンチャカルマを受けられたら…。
商業主義によらないリアルな体験談を、具体的な費用や施術の詳細も含め綴ることで、これからパンチャカルマを受けようと情報を探している方々のお役に立てるのではと思いました。
以前の私のような、パンチャカルマに過剰な期待や過信されている方々にも、リアルな体験を届けることでパンチャカルマ前の心構えが変わってくるのではと思いました。
パンチャカルマ体験について、私の伝えられることは全て書きました。
私の体験談が、実際にパンチャカルマを受けたり、施設を選ぶ際に役に立ったという声を戴き、嬉しく思います。
このブログでは、パンチャカルマ体験以外に、身体のためにのためにやって良かったこと、特に、婦人科系の体質改善に役立ったことや、手作り食品のレシピ、旅行などについても綴っています。
パンチャカルマについては私にはもう書くことはありませんが、こちらの方はできるだけ続けていきたいと思っています。
ayurclothのこれから
南インドを旅している時、とある布工房との出会いがありました。
はじめてこの布工房を訪れたのは、2015年のことでした。
インドのNGO団体でもあるこの布工房では、オーガニックコットンの手織り布を製造していました。
工房内を見せて頂き、その布の美しいカラー・バリエーションの豊富さに圧倒されました。
様々な色や濃淡は全て、アーユルヴェーダ染めという日本でいう草木染めのような手法で手染めされていると説明を受けました。
アーユルヴェーダとは、インドの伝統医学のことです。
そのアーユルヴェーダの知恵に沿い、ハーブやスパイス、木の根や生葉、花びら、木の皮などを調合して布を染め上げるのです。
一つの色を出すために、40〜50種類以上のハーブを使うとのこと。
漂白から媒染、仕上げの段階まで、一切の化学処理を行わず、自然界にあるものだけで染色する技法は、Trivancore王朝時代から世襲されている秘伝で、この一族のみが正統に受け継ぎ、守り続けている染色方法だと言う。
「王朝時代からの染め方そのままを守っているから、化学的な処理はしないんだよ。当時は化学薬品などない時代だったからね。私たち一族には、先祖代々伝わる伝統的なアーユルヴェーダ染めを守る義務があるんだ。」
「最近は私たちの染め方を模倣した、偽物のアーユルヴェーダ染めが出回って苦労しているけど、インド政府公認の伝統的なアーユルヴェーダ染めを守る工房はうちだけだよ。」と、インド政府から贈られた政府公認の証の石碑を誇らしそうに見せてくれました。
インド政府から贈られた石碑
オーガニックコットンを手織りし、さらにアーユルヴェーダ染めという草木染めのようなもので染めた100%オーガニックな布。
こんな布、日本では手に入らない。
しかも色もめちゃくちゃ綺麗で目移りする。
その場で数種類の色を選び、日本に持ち帰りました。
帰国後、知り合いの縫製技術者に、オーダーメイドでまずはワンピースを縫ってもらいました。
私が選んだ布は、Khadi cottonという手紡ぎ手織りのアーユルヴェーダ染め生地でした。
Khadiの生地は、無農薬綿花を手紡ぎで糸にするため、糸の太さが均一ではないのですが、それが故に布が空気を含み、洗えば洗うほど生地が柔らかく、肌に馴染んでいきます。
アーユルヴェーダ染めのハーブの優しい色も、オーガニックコットンの風合いも、何より手織りの柔らかさも、今までにない着心地のワンピースで、色が褪せてもこの一着だけは未だに手放せず部屋着として着続けています。
もう、他の部屋着は着られない。
肌に触れるもの全てを、この生地で作ってみたい。
あの布工房で、この布ができるまでの背景をこの目で確認してみたい。
ショーツやタンクトップなども試作して、実際に試し、着心地の良さを実感した私は、再びインドへ渡ることになります。
→アーユルヴェーダ染め工房を見学。ケララ州の豊富なハーブに圧倒される
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