アーユルヴェーダ・パンチャカルマ治療は7日単位で行われる長期間の治療です。
私は21日間の治療コースを選びました。
症状の重い方は28日間受けると更に確実です。
長い治療期間中に、どんな治療するのか?
その治療はどんな効果を狙って行われるのかを把握しておきたくて下調べしました。
目次
アーユルヴェーダ・パンチャカルマとは
Pancha(5つの)+Karma(行為)→5つの治療法という意味。
5つの方法により身体の浄化を体系的に行う。
身体の五つの出口(鼻・口・小腸・大腸・皮膚)それぞれから毒素を排出させる。
パンチャカルマ・トリートメントの具体例
①Vamana:ヴァマナ(催吐法・嘔吐法)
ハーブ薬液や温かい牛乳にヒマシ油、蜂蜜を混ぜたものを大量に飲み、口から嘔吐させる。
胃の浄化をする。
②Virechana:ヴィレーチャナ(瀉下法・下剤法)
下剤効果のあるギーなどを飲むことで排便を促し、肛門から毒素を排出させる。
小腸の浄化。
③Vasti:ヴァスティ(浣腸法)
ハーブオイルを肛門から浣腸することで大腸の深層部分までオイルを浸透させ、排便を促し、肛門から毒素を排出させる。
大腸の浄化。
④Nasya:ナスヤ(経鼻法)
鼻の中を薄い塩水で洗ったり、オイルを点鼻する。
喉・鼻・脳の浄化。頭痛・鼻の乾燥・鼻閉塞・かすれ声・偏頭痛・アレルギー性鼻炎・目や耳の疾患に効果あり。
⑤Raktha moksha:ラクタモークシャ(瀉血法)
ヒルに血を吸わせるなど皮膚表面から少量の悪い血液をとる事で、毒素を排出させる。
皮膚病に効果あり。
これだけ見ると、凄い療法だなとビビりますが、実際に今までパンチャカルマをしに行った友達でヒルに血を吸わされた経験がある人は聞いた事がありません。
私もそうですが、たいていの人は②〜④の療法が施されるにとどまります。
たまに酷いアトピーの方などは①の嘔吐法を受けたという話も聞きます。
気持ち良くリラックスできる施術ではありませんが、耐えられないほどの苦痛ではありませんでした。
逆にこの中処置をせず、アビヤンガやシロダラーなど気持ちの良い施術だけの場合は、本来のパンチャカルマを受けたとは言えず、効果も期待できません。
アーユルヴェーダ治療の流れ
アーユルヴェーダ・パンチャカルマ療法は、基本的に7日間単位のトリートメントで構成されている。
そのためドクターは7日間、14日間、21日間、28日間の単位で治療メニューを組む。
パンチャカルマ治療:前処置
・前処置:最初の7日間〜14日間。
①前処置の狙い
中心処置であるパンチャカルマを行うにあたり、体内の毒素をふやかして定位置へ戻し、細胞から離れやすくするために行う。
身体の内と外から全身に油を行き渡らせる。
②実際に行う施術例
◉身体の外から
アビヤンガ(オイルマッサージ)・ハーブスチームバス・温かいハーブ液を体に何度も繰り返しかける。
ハーブボールを使って全身を温め発汗を促す。
温かいハーブオイルを浸した布をお腹に乗せて腹部を温める、など。
◉身体の内側から
薬用ギーなどの油を内服する。
パンチャカルマ治療:中処置
中心処置:これがいわゆるパンチャカルマ。
①中処置の目的
前処置の後、体がこのメイン治療を行える体制になってから行う。
前処置で集めた毒素を体外へ排出させる。
②実際に行う施術
◉身体の外から
オイル浣腸。
ナスヤ(オイルを鼻から点鼻する)。
嘔吐法など。
◉身体の内側から
消化の良いお粥や重湯のみなど、食事制限がかかる。
個人個人にあったハーブ内服薬が処方される
パンチャカルマ治療:後処置
①後処置の目的
中心処置であるパンチャカルマにより、大量の毒素を排出した身体は、体力や消化力が非常に低下しているため、鎮静させたり回復させるための処置をする。
無防備な身体を、体力がある状態に戻す。
②実際に行う施術例
◉身体の外から
ピリチリ(体に薬用オイルや温かい薬用ハーブ液を繰り返しかける施術)
シロダラー(額に薬用オイルを垂らす施術。)
※症状によってはオイルは使わず牛乳やハーブ液をかける施術になる場合もある。など
◉身体の中から
滋養のある食事や強壮作用のあるハーブ・スパイス料理。
個人個人にあったハーブ内服薬が処方される。
帰国後のセルフケア
帰国後も3ヶ月間は、セルフケアとしての後処置は続く。
①ドクターからコンサルテーションで個々の症状に合わせた食事指導・生活指導があるのでそれを守る。
②処方された薬を持ち帰り、継続して飲む(1〜3か月分)。
③マッサージオイルも提案されるので、セルフマッサージを使うと更に良い。
アーユルヴェーダ・パンチャカルマ療法の後は、少なくとも治療期間の2倍は養生することを勧められています。
14日間の治療をした場合→28日間。
21日間の治療をした場合→42日間は、帰国後も処方された薬を飲んだり、生活指導を守って急激に元の生活に戻りすぎないように養生します。
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