日本人にとって一番身近で馴染みのあるハーブといえば、「よもぎ」。
そこらじゅうに自生している。
勝手に生育してくれるので、その気になればマンション暮らしの都会でも鉢植えで簡単に育てることもできる。
しかも、この「よもぎ」、薬効が凄い。
浄血作用、抗炎作用、デトックス作用など、薬効のオンパレードです。
何より勝手に庭で生育してくれて、手間いらずなのがありがたい。
っていうか、ちょっと庭に植えたら育ちすぎて大変なことになっています…。
※ミントとよもぎの地植えは、後々、後悔するのでご注意を。
特にミントの地植え…。
気軽な気持ちで植えると、翌年、地獄をみます。
毎年、この(増えすぎた)よもぎを使い、よもぎ蒸し、よもぎ風呂、よもぎ染め、よもぎ餅、よもぎ青汁、などに活用しています。
毎年、4月はよもぎ三昧。
よもぎの旬は、3月〜5月です。
前年から冬を越した固いよもぎの葉ではなく、春の柔らかい葉と新芽を使います。
よもぎ染めは、よもぎ液を煮出している時から部屋中に良い香りが充満し、よもぎアロマを満喫できるのでおすすめです。
本当に、リラックスできる良い香り。
無漂白のネルの布ナプキンを、春のよもぎで染めてみました。
よもぎ染めの練習に、まずは布ナプキンでよもぎ染め。
よもぎ染め、初心者にも布ナプキンのよもぎ染め、おすすめです。
準備する物
よもぎ染めに必要な道具
・鍋:よもぎ液を煮出すため
・ボウル:豆乳液を作るため
・小さめのザル:ヨモギ液を濾すため
・ガーゼ布:よもぎ液を濾すため
・菜箸:長めのものが便利
・キッチンスケール:布やよもぎの重さを測るため
よもぎ染めの材料
・綿100%の布:布ナプキンには無漂白コットンネル生地を使用
・よもぎ:布の5倍量
冷凍よもぎキューブは30gのよもぎに水カップ1杯をミルサーにかけ製氷器で冷凍保存。
だいたい「1個のよもぎキューブに3gのよもぎ」が入っていると仮定して計算する。
・みょうばん:布の1/10量
・無調整豆乳:水と1:1で割る。
よもぎ染め 前処理のやり方
綿や麻など、植物由来の布を染める場合、染める前に布にタンパク質を染み込ませる前処理が必要です。
植物染めでは、布に含まれるタンパク質と植物の煮出し液が反応し、布に色がつきます。
絹やウールなど動物由来の布は、もともとのタンパク質があるので前処理は不要です。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、この方法では染まりません。
前処理には、無調整豆乳がおすすめです。
牛乳でも可能ですが、牛乳が乾くと臭いのでやめた方がいいです。
①布ナプキンをぬるま湯につけ、もみ洗いしよく絞って水気を切ります。
布の汚れや糊を落とすため。
②豆乳:水=1:1液をボウルにつくる。
③布ナプキンを②の豆乳液に浸し、全体に豆乳液が行き渡るように揉み込み、30分間浸しおく。
豆乳で布にタンパク質を付け、よもぎ液で染まるようにするため。
④布を固く絞り、パンパンと叩いて皺を伸ばしてから干す。
布にタンパク質を付けることが目的なので、干す前に水洗いなどしないこと。
日光にあてて、しっかり干す。
豆乳液が付いたまま生乾きだと布が臭くなってしまうので、天気の良い日にしっかり乾燥させること。
豆乳液に浸けて、乾燥させた布は少しゴワゴワと固くなります。
よもぎ染め 染色のやり方
①キッチンスケールで、布の重さを測る。
②キッチンスケールで、よもぎを測る。
よもぎは、染める布の5倍量。
③よもぎをミルサーにかける。
生よもぎをそのまま煮るより、刻んでよもぎの繊維を壊した方が、濃いよもぎ染め液になる。
ミルサーにかけて、更に冷凍したよもぎを使うと更によもぎの繊維が壊れているので濃いよもぎ染め液になる。
私は、よもぎ30gに水1カップを加え、ミルサーにかけ製氷機に入れ冷凍した、キューブ状のよもぎ氷をストックしているので、それを使う。
※新鮮で良質なよもぎが採れる3月〜5月に、よもぎキューブを沢山作って冷凍しておけば、よもぎ染め以外の用途でもいろいろ便利に使えます。
乾燥よもぎとは違った、フレッシュな香りを冷凍よもぎは楽しめるのでおすすめです。
④鍋に染める布が全体的に浸る程度の量のお湯を沸かす。
お湯の量が多ければ多いほど染め液が薄くなるので、私はお湯の量はぎりぎりにします。
できるだけ濃いよもぎ液で、濃く染めたいので。
⑤冷凍よもぎキューブをお湯に入れ、解凍する。
冷凍よもぎキューブストックがない場合は、刻んだ生よもぎをガーゼに包んで鍋に入れ煮出す。
冷凍よもぎキューブが溶けた状態。
⑥よもぎをガーゼで濾す。
ガーゼで濾したヨモギ汁。
よもぎの残りカスがパサパサになるまでギューギュー絞り、よもぎエキスを無駄なくとる。
ガーゼに残ったよもぎの残りカスは捨てる。
⑦前処理した布ナプキンをぬるま湯に浸して柔らかくし、軽く絞る。
ここで洗いすぎるとせっかくの豆乳のタンパク質が落ちてしまうので、布が柔らかくなる程度に軽く洗って絞ること。
⑧⑤のヨモギ汁を鍋に入れ、⑥の柔らかくした布ナプキンを広げて入れ、火にかける。
沸騰したら火を弱め、中火で20分間煮出す。
強火にかけ過ぎると、染まり色が茶色っぽくなるので注意。
菜箸で布全体がヨモギ液に浸かるようにしながら、煮出す。
⑨火を止めて30分〜1時間そのまま放置して冷却する。
⑩ボウルに⑧の冷めたよもぎ煮汁と布をうつす。
一回煮詰めただけで、これくらいの濃さに染まります。
フレッシュなよもぎで染めたので、色も綺麗。
部屋中によもぎの良い匂いが充満しました。
よもぎ染め 媒染のやり方
媒染剤には「みょうばん」を使います。
みょうばんなら、茄子の漬物を作る時用のものが常備してあり、わざわざよもぎ染めのために購入しなくてもいいしお手軽です。
みょうばんを媒染に使うと、明るめの色に染め上がります。
媒染とは、煮出した植物の色素(染料)と布の繊維を結びつける工程をいいます。
媒染の工程を踏むことで、よもぎの色が定着しやすく、色落ちしにくくなります。
①媒染液を作る。
鍋に水を入れ、みょうばんを加えて火にかける。
水1L:みょうばん2g目安
染める布の重さの30倍の媒染液を作る。(布10g:媒染液1L)
②みょうばんが完全に溶けたら、よく絞った布ナプキンを浸し、弱火で10分ほど加熱する。
媒染液が布ナプキン全体に浸るように、時々ひっくり返しながら弱火で加熱。
沸騰させないこと。
③媒染した布ナプキンを固く絞る。
④再びよもぎの染め液に布ナプキンを浸して10分以上おく。
⑤軽く水洗いして、日陰で乾かす。
濃く染めたい場合は、「染め液に浸けて煮出す→媒染液に浸ける→再び染め液に浸けて煮出す→媒染」を繰り返しても良いです。
私は面倒なのでせいぜい、1〜2回しか繰り返しませんが、このように綺麗な黄色と緑の中間のような明るい色に仕上がり満足です。
布ナプキンの他に、履き倒して色が抜けた、カディコットンのふんどしパンツもよもぎ染めしています。
アーユルクロス のふんどしパンツは、手紡ぎ手織りカディコットンで作っているので、履き込めば履きこむほど生地は柔らかくなります。
色は抜けても柔らかく履き心地よくなったふんどしパンツをよもぎ染めで蘇らせれば、下着でも長く使える。
手紡ぎ手織りカディコットンの良さは、柔らかくなってからが一番実感できるものです。
良質の本物の布は、染め直してでも使う価値があります。
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