梅干しの漬け方は2種類あります。
天日干しせず、ジップロックなどで手軽に漬ける作り方と、昔ながらの土用干しをする漬け方です。
樽やざる、重石を揃えるのは場所もとるし大変ですが、天日干しの梅干しの魅力は常温保存可能なこと。
太陽のパワーをもらった梅干しの方が、冷蔵庫育ちの梅干しより力があります。
梅干しは毎年手作りしたいし、ざるや重石は他の漬物や干し野菜作りにも使えるものなので、どうせなら道具を揃えて昔ながらの梅干しを手作りしたいですね。
目次
梅干し 漬ける前の準備
・
★5㎏の梅干しを作る場合
①琺瑯容器:直径26㎝x高さ24㎝
大きさは梅の2倍以上の容量のものを準備する。
②プラスチック製の落し蓋
木製の落し蓋は雑菌が繁殖しやすいので、プラスチック製が良い。
③重石:5㎏x2個
重石は漬ける梅の約2倍の重さが必要。梅酢が上がったら重石を半分にするので、5㎏を2個用意すると良い。重石が足りない場合は、水を入れたペットボトルなどで代用してもOK。
④ホワイトリカー:適量(容器などの消毒用に使う。一カップ入りで十分)
⑤清潔な布巾(梅を拭く用)
⑥爪楊枝(梅のヘタを取る)
⑦平皿(落し蓋の上に乗せる)
⑧大きめのボール(梅を浸けてアクを抜く)
⑨盆ざる
梅干し 下漬けのやり方(6月中旬)
完熟梅が出回るのは6月中旬。
青みが残っている梅が混じっていたら、段ボールに入れたまま風通しの良い場所に2〜3日置いて追熟させ、梅が黄色に完熟するのを待つ。
材料
・完熟梅:5㎏
・粗塩:650g〜900g(梅の重量の13〜18%)塩分を13%以下にするとカビが生える恐れがある。
・焼酎(35℃以上のもの):1カップ
※ホワイトリカーでも良いが、35℃以上の玄米焼酎が最適
35℃以下の焼酎は、カビ防止の役目を果たさないので使わないこと
・ホワイトリカー適量:容器などの消毒に使う。小さいカップ入りのもので十分。
①完熟梅をたっぷりの水に1時間浸け、アク抜きする。
水につけることで、アク抜きと同時に、梅干しの種離れを良くする働きがある。
完熟梅は、長時間水につけると表面に斑点が出てくるので注意。
②盆ざるに梅を上げて水気を切り、乾いた清潔なタオルで丁寧に水気を拭く。
③爪楊枝で、梅のヘタを取る。
この時、ヘタ周りの汚れも丁寧に拭き取ること。
汚れが残っているとカビや腐敗の原因になる。
④琺瑯容器をホワイトリカーで消毒する。
容器にホワイトリカーを少量たらし、容器を振って全体に行き渡らせる。
ホワイトリカーは、ワンカップサイズの小さなもので十分。
その後も、蓋の消毒などに使えるのでワンカップサイズ一本あると便利。
⑤満遍なく梅に塩が行きわたるように、3回に分けて梅と塩、焼酎を入れていく。
まず琺瑯容器に塩を一部入れ、梅を1/3程度入れる。
焼酎を加え、容器を煽って梅に塩が行きわたるようにする。
これを繰り返し、梅、塩、焼酎を重ねていく。
梅が柔らかいので、あまり煽り過ぎないで、手早く済ませること。
⑥プラスチック製落し蓋をホワイトリカーで消毒し、梅の上に載せる。
落し蓋の上に、陶器の平皿を載せる。
梅酢が上がってくるので、落し蓋だけでは重石が水に浸かってしまうため、平皿を重ねて使う。
平皿の上に重石をのせる。
埃が入らないように、バスタオルをかけ、冷暗所に置く。
蓋をしてしまうと風通しが悪くなるので、バスタオルなどの布をかけるとちょうど良い。
⑦翌日から、朝と晩の1日2回、重石と落し蓋を取り、塩が全体に行きわたるように容器を煽って梅の上下を返す。
煽ったら、重石と落し蓋を元に戻し、またバスタオルをかけて冷暗所に置く。
容器が浅い場合は、梅が飛び出ないように、蓋をしたまま煽ると良い。
1日2回、煽る作業を怠ると、梅酢が濁り、カビや腐敗の原因になる。
また煽ることで、梅全体に塩が馴染み、漬かり具合が均一になって、白梅酢がよく上ります。
⑧3〜4日して、つけ汁が上がってきたら、重石を半分にし、赤紫蘇漬けまで待つ。
次は赤紫蘇漬け。赤紫蘇漬けの前に、白梅酢をカップ一杯程度とって瓶に移しておくと良い。
白梅酢は冷蔵庫保存で1年間は保つ。
夏場にご飯を炊くとき少し白梅酢を混ぜると防腐効果がある。
梅干し 赤紫蘇漬け(本漬け)のやり方(6月下旬〜7月上旬)
赤紫蘇は梅を綺麗な赤色に染め、防腐効果もあります。
アクをしっかり抜くことで、綺麗な赤色に仕上がります。
材料(5㎏の梅につき)
・赤紫蘇:4わ(正味600g)
・粗塩:大さじ4
①赤紫蘇の葉をハサミで摘む。
②水を数回変えて、赤紫蘇の葉をよく洗い、ざるに上げて水気を切る。
大きめのボールなどによく水を切った赤紫蘇を入れ、1/2量の粗塩を振って全体になじませる。
この時、薄い使い捨て手袋をはめると手が赤く染まるのを防げる。(100均で売っているものでOK)
③塩が全体に行き渡り、しんなりしてきたら、両手のひらでキュッキュと押すように揉む。
紫色のアク汁が出て、紫蘇がかなり小さくなってくる。
紫蘇をギュッと絞って、アク汁を捨てる。
ここで、湯冷しの水でボールを一回綺麗に洗い流し、ボールの水気を拭く。
④もう一度先ほどの赤紫蘇を綺麗になったボールに戻し、ほぐしてから残りの塩を加える。
さらにアク汁が出るように、キュッキュと押すようにもみ続ける。
ここでしっかりアク汁を出すことで、綺麗な赤紫色に仕上がる。
⑤ボールに赤紫蘇を入れ、白梅酢を適量とって、回しかけ、ほぐす。
⑥下漬けした梅に、赤紫蘇を広げて乗せ、赤く染まった梅酢を回し入れる。
この時、赤紫蘇を梅の真ん中あたりにも挟むように入れると、下の方の梅まで綺麗な赤色に染まる。
梅が表面に出ないように、赤紫蘇で覆うとカビにくい。
⑦赤紫蘇の上に、プラスチック製の落し蓋→平皿→重石をのせ、バスタオルをかけて冷暗所に置く。
赤紫蘇と梅が梅酢の表面から出ていると、カビの原因になるので、浸る程度の重石でOK。
この状態で最低でも3〜4日は置き、赤紫蘇の色や成分を梅に染み込ませる。
このまま梅雨明けを待って土用干ししても良いが、梅雨明け前でも晴天が3日続くようなら早めに土用干しをする。
カビのリスクを回避するには、梅雨明けを待たずにできるだけ早く日光消毒すべし。
梅干し 土用干しのやり方(梅雨明け後、または梅雨明け前でも晴れの日)
準備するもの
・盆ざる
・キッチンペーパー
・埃よけネット
①赤紫蘇を取り出し、ざるに上げて水気を切る。
ざるに上げただけでは水気が切れないので、さらに手でギュッと紫蘇を絞り、水気を出し切る。
絞った赤梅酢は梅の容器に戻す。
キッチンペーパーを敷いたざるの上に、絞った赤紫蘇をほぐして並べ、日光に干す。
②梅の水気を切りながら、一つずつキッチンペーパーを敷いたざるに並べる。
ざるに直接梅干しを並べると、梅干しがざるにひっついて破れてしまうので、キッチンペーパーを敷くと良い。
ゴミや埃が心配な場合は、使い捨てキッチンネット(100均にある)をかけると良い。
雨の心配があるので、夜は室内に取り込むこと。
土用干しの目安は3〜5日。
晴天でしっかり日光に当てられるようなら3日でOK。
目安は梅が両面ともしっかり乾燥して、少しだけシワがよった状態。
乾燥させすぎるとシワシワになり、柔らかい果肉の梅干しができない。
天日干しすることで余分な水分が蒸発するので保存性が高まり、常温保存できるようになります。
またねっとりとした果肉の食感の梅干しに仕上がります。
両面が乾いたくらいが丁度いい。
途中で、梅をひっくり返しながら、両面とも満遍なく乾燥させること。
③最終日は、容器に入った梅酢も屋外に出し、日光に当てる。
④梅を容器に移す。
赤梅酢をカップ一杯瓶に移し、冷蔵庫保存する。
梅と赤紫蘇を交互に瓶に詰め、表面を赤紫蘇で覆う。
梅干しはすぐに食べても良いが、3ヶ月後くらいからが塩気が馴染んで美味しくなる。
常温で長期保存可能だが、一年以内が味的には美味しい。
毎年、5キロずつくらい新しく梅干しを漬けながら、1年間で食べきるのが一番おすすめです。
赤紫蘇はゆかり用に一部残し、カラカラになるまで日光に当てて乾燥させ、ゆかりを作る。
⑤梅干しは赤梅酢と紫蘇と一緒に漬ける方法と、そのまま食べる方法の二つがある。
うちでは一部、赤梅酢に漬けずにそのままいただきます。
こちらもすぐに食べられますが、3ヶ月後くらいからが味が馴染んで美味しい。
赤紫蘇でゆかりふりかけを作る
ゆかりふりかけの作り方は簡単です。
カラカラになるまで赤紫蘇を日光に当てて乾燥させ、ミルサーで粉砕して粉にすれば出来上がり。
市販のゆかりとは一味も二味も違う、天然の味。
炊きたての白ご飯に混ぜて、ゆかりご飯にしたり、サラダに混ぜたり、いろいろに使えます。
→梅酒の作り方 青梅の甘露煮の作り方 上手に漬けるコツとポイント
→たくあんの作り方 ジップロックで漬ける簡単ぬか漬けたくあんレシピ。大根の葉まで使い切る。
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